岸川整形外科

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最新の医療情報

マッケンジー法の臨床応用について

 
当院では脊椎の椎間板の構造的な異常を矯正、維持、予防するためにマッケンジー法という運動療法を行っている。具体的には、椎間板の中にある髄核の変位を自分で意識し、痛みをモニターしながら体操を行うものである。
 
 

一方、われわれ脊椎外科専門医は、神経症状の高位診断や椎間板性の痛みの診断については、多少のこだわりを持って診ている。また機能的診断法として、神経根ブロックによって責任病巣の高位診断を行ったり、椎間板造影によって痛みを確認したりする手技を持っている。
この両者の長所を組み合わせることにより、治療を短縮、促進してよい結果を得ている。

 
症例報告  腰椎椎間板ヘルニア
S.F.35歳、男性、長距離運転手
(神経根ブロックを併用した腰椎椎間板ヘルニア)

2ヶ月前に発症した第4腰椎後方すべりを伴う第4/5腰椎椎間板ヘルニアで、神経根症状が強く、神経根ブロックを行うことによって根性の痛みが軽減し、その後マッケンジー法がよく機能するようになり職業復帰した。

また、本症例のような後方すべりや、分離症があり、後方要素が機能的に不全であると思われる症例の中には、腰椎の動態撮影で見ると分離部や後方すべりは比較的安定していて、他の椎間板症が痛みの原因である場合も多い。最初から伸展運動は禁忌と決めつけずに患者の反応がよければ行う。

 
K.F. 28歳男性、介護士
(椎間板ブロックを併用した腰椎椎間板ヘルニア)

2ヶ月前に発症した腰椎椎間板ヘルニアで、左下肢痛を伴うが椎間板性の腰痛が強く、椎間板ブロックを行うことによって椎間板性の痛みが軽減し、その後マッケンジー法を行い、痛みがコントロール可能になった症例である

 
Y.T. 23歳、男性 倉庫業
(椎間板ブロックを併用した第2/3腰椎椎間板ヘルニアの自然消失例)

MRIによる確定診断の前にマッケンジー法を行い、臥位進展運動可能であったために、治療継続しているうちにヘルニアの自然消失を見た症例である。腰椎椎間板ヘルニアの分類でbulgingやprotrusionと呼ばれる軽度のものが良い適応だが、extrusionやsequestrationと呼ばれるタイプでも患者の反応が良ければ行ってよいと思われる。

 
症例報告  骨粗鬆症による圧迫骨折に対して応用
K.S. 54歳 女性 精肉屋
(第5腰椎圧迫骨折後6週より適応)

第5腰椎圧迫骨折に第4/5腰椎椎間板ヘルニアを合併し、左第5腰神経根症状あり。受傷後6週でX線にて骨癒合が確認されてから、マッケンジー法を適応。

 
K.U. 56歳、女性、鮮魚店勤務
(第1腰椎破裂骨折後8週より適応)

第1腰椎破裂骨折で、左第1腰神経根症状あり。受傷後8週でX線にて骨癒合が確認されてから、マッケンジー法を適応。

両症例とも、終板損傷による椎間板障害が予想されたため、骨癒合がある程度確認された早期からマッケンジー法を導入して良好の結果を得た。

 
考察
 

マッケンジー法は、病歴や反復運動テストによって痛みが軽減する運動の方向性を見つけ、運動を処方する評価法であり治療法である。症例数が最も多く、状態を把握しやすいのはposterior derangement syndromeと呼ばれる椎間板の圧力が後方にシフトしている症例群である。この群をいかに正確に早く見出すが医師に求められる課題である。

日常の診療の中で、強くposterior derangement syndromeを示唆する所見として、病歴、理学所見、画像所見、検査所見についてポイントを述べたい。

 
理学所見

後屈優位の運動制限でも、数回後屈を繰り返すと痛みが軽減する症例がある。
傍脊柱の圧痛は少ないが掌で全体的に押した時の圧痛がある症例
診療台の上で、腹臥位伸展位をテストとして行わせて、痛みの軽減や、範囲の変化がある症例

 
画像診断

立位X線でのアラインメント異常、特に局所後弯や側弯の凹側に痛みが偏在する場合
MRIでは腰椎椎間板ヘルニアの分類でbulgingやprotrusionが良い適応だが、extrusionやsequestrationでも患者の反応が良ければ行ってよいと思われる。特に脊柱管の広い症例では適応可能である場合が多い。

 
椎間板造影(discography)およびブロック

いわゆる椎間板性の痛みと診断した症例で、やや陳旧性になっている場合に、椎間板ブロックを加えてからマッケンジー法を適応すると椎間板の流動化のような変化があり、マッケンジー法に対しての反応が違ってくる。

 
 

マッケンジー法は他の治療法を同時に行うことを否定していない。投薬治療、ブロック、理学療法などを同時に行うことによって新たな相乗効果が期待できると思われる。
また、腰椎椎間板ヘルニアの手術後に、3から5%は再発することは統計的に報告されている。体重のコントロールと腹筋背筋を鍛えるのが従来の再発予防法であったが、そこにマッケンジー法を加えるとかなり再発率が減るのではないかと期待される。

 

以上は、平成19年6月神戸で行われた、日本リハビリテーション学会にて発表した内容の一部を、患者さんに分かりやすくご紹介するものです。

 
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